★今日のベビメタ
本日4月9日は、過去BABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。
■武漢ウイルス関連データ
●累計
・世界 感染確認者人1,391,913人>死者81,154人
・日本 感染確認者4,257人>死者81人・退院632人・入院治療を要する者3,544人
>無症状360人・病状有無確認中1,091人・治療中2,093人>重症者99人
●10万人当たり
・世界 感染確認者18.04人>死者1.05人
・日本 感染確認者3.37人>死者0.06人
出典:厚労省「新型コロナウイルス感染症の現在の状況について」(4月8日正午現在)
ニューヨーク在住の日本人の方が、現地で今起こっていることについて、「自分が今まで見たことのない事態が起こっている」という警告動画をアップしておられます。基本的にはVOXの動画と同じで、一気に感染者が増え、死者がバタバタ出ているのだから、インフルエンザと同じに考えてはいけないというご意見です。
しかし、あえて言いますが、現在、世界各国で起こっていることは、「インフォデミック」だというぼくの考えは揺らぎません。
国連統計によると、アメリカでは毎年人口の2.8-2.9%が亡くなっています。実数だと1130万~1180万人です。毎月平均約99万人、毎日平均約3万人のアメリカ人が亡くなっているのですが、マスコミはいちいち報道しません。それは人の世で当たり前のことだからです。
アメリカのマスコミは喫煙の害を説くために慢性閉そく性肺炎の死者が10万人当たり24.1人だということは報道しますが、その他の呼吸器疾患=インフルエンザや風邪による肺炎の死者が10万人当たり34.3人であることは報道してきませんでした。
後者をアメリカの人口3億2735万人にあてはめて計算すると、アメリカでは毎年11万2200人、毎月平均約9800人、毎日平均約300人が肺炎で亡くなっていることがわかります。
3月初旬から4月初旬までの1ヶ月間、武漢肺炎で亡くなった方は4月8日正午現在1万2488人です。肺炎死の月平均より多いのは、インフルエンザや風邪による肺炎が寒い季節に多く発生するのと、一部の病院で患者の殺到により医療崩壊が起きているためです。
ニューヨーカーが「今まで見たことがなかった」のは、「医学の発達したアメリカ」で、毎日肺炎で人が300人単位で死んでいくという「これまで報道されなかった事実」が「毎日報道されている」という事態に過ぎません。
にも関わらず、病院に殺到した人々によって医療崩壊が起きている以上、VOX動画の作者にも責任があります。「インフルより危険」ではなく、「8割の人は自宅で治るからパニックを起こして病院に殺到するな」に力点を置くべきでした。
日本でもインフルエンザと肺炎を合わせて毎年10万人近い死者が出ています。ニューヨークと同じことが起きても、それは、これまで報道されなかった事実が毎日報道されるという事態に過ぎません。
アビガンよりも何よりも、『リスクにあなたは騙される』(ダン・ガードナー著)こそ、最良の処方箋です。
(10年のキセキのつづき)
もちろん、2011~2012年度の重音部=BABYMETALは、「アイドル」としてテレビ画面の中で笑顔を振りまいていただけではない。
2011年8月28日の第2回TIFでは、フジテレビ湾岸スタジオ内のDOLL FACTORYに登場し、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」と「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の2曲を披露。
10月12日、新宿LOFTで行われたタワーレコード新宿店13周年記念ライブ「~No Music, No IDOL ?~」にもBABYMETALが単独で出演し、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」と「イジメ、ダメ、ゼッタイ」を披露した。このライブには、KOBAMETALの背中を押したニッポン放送の吉田尚記アナウンサーが招待されており、「世の中が変わる」と思ったという。
10月23日にMt. Rainier Hallで行われたさくら学院祭2011でも、第2部でBABYMETALが登場し、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」と「イジメ、ダメ、ゼッタイ」を披露した。
年が明けた2012年1月9日には、Woman' Power 20th@渋谷O-WESTに単独出演し、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」「いいね!」「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の3曲を披露した。
1月20日には、雑誌『Switch』にマーティ・フリードマンによる単独インタビューが掲載された。『Switch』といえば大雑誌(おおざっし、Copyright©千鳥ノブ)であり、マーティといえば、日本語ペラペラのギター芸人ではなく、まぎれもなくスラッシュ四天王の一角、元MEGADETHの凄腕ギタリストである。破格の扱いといっていい。
同日、BABYMETALはKawaii Girl Japan(Barks)にも登場した。
さらに、2月1日、TOYSFACTORYのHPで、BABYMETALのライブTrailerが配信された。
SU-がまだ生徒会長にもならないうちに、アミューズはBABYMETALを単独で売っていく気満々だったのだ。
昨日書いた『月刊MelodiX!』「さくら学院ここを直せばもっと成長できる」の回は、その後だ。マーティ・フリードマンと「コアラ3匹分」である。もの凄いギャップだよな。
そして、3月7日、BABYMETAL単独のスプリットシングル『BABYMETAL×キバオブアキバ』がリリースされた。
収録曲は、
1.「いいね!」(BABYMETAL)
2.「Party@The BBS」(キバオブアキバ)
BONUS TRACK 1.「君とアニメが見たいAnswer for Animation With You」(BABYMETAL)
BONUS TRACK 2.「ド・キ・ド・キ☆モーニング Ver Koa」(キバオブアキバ)
の4曲。
CDの帯には、「アイドルとメタルの融合」をテーマに結成された平均年齢13歳のメタルダンスユニット“BABYMETAL”と、新世代・京都発ヲタイリッシュ・デスポップ・バンド”キバオブアキバ“との、あらゆるジャンルもカルチャーも超越した”超絶“スプリットCD!」という文章があり、帯裏のBABYMETALの紹介文には「なんじゃこりゃぁあ!!」YouTubeで公開された映像が世界各国のメタルファンやアイドルファンの間で話題になっているメタルダンスユニット。ちなみにキメポーズはメロイックではなくキツネさんDEATH!!」とある。
ここから、アミューズが、BABYMETALを当時どう訴求しようとしていたかがわかる。
2011年10月12日にYouTubeにアップされた「ド・キ・ド・キ☆モーニング」MVエディットバージョンが海外で話題になり、ライブのオファーも届いていた。
KOBAMETALはそれを断ったが、アミューズとしては「売れるかもしれない」という手ごたえをつかんだに違いない。
時代遅れのメタルマニアであるKOBAMETALの企画は、音楽班では芽が出なかった。
しかし、「何でもあり」のアイドル市場では、イノセントな少女たちにメタルをやらせるというアイデアは、案外「あり」かもしれない。
単独では不安だが、マニアックな「ヲタイリッシュ・デスポップ・バンド」キバオブアキバと並べれば、オタク×2で最低ロットは捌けるのではないか。
だからその訴求内容は、「平均年齢13歳」に始まり、「あらゆるジャンルもカルチャーも超越した超絶スプリット!」とか、「なんじゃこりゃぁあ!! YouTubeで公開された映像が世界各国のメタルファンやアイドルファンの間で話題になっている」「キメポーズはキツネさんDEATH」という「キワモノ」的なコピーが並んだ。
要するに、初期BABYMETALは「メタルの音楽性」を追求していたわけではなく、「キワモノアイドル」として訴求されていたのだ。しかしこれがBABYMETALを大きく飛躍させた。
「アイドル」の第一条件は、若くてカワイイことだろう。カワイければ、とりあえず何をやっていても見るに堪える。あ、ここではとりあえず差別とか言わないでね。m(__)m
だが、カワイイ子は芸能界にはいっぱいいるので、お高く留まっているだけではやがて飽きられる。
そこで、構成作家やディレクターは、MCを通じて、カワイイ子たちに何かをやらせ、反応を引き出す。
常識問題をやらせて「おバカぶり」を引き出したり、逆襲させて「大人を追い詰めるイノセントな攻撃性」を引き出したりする。すると視聴者はその子に「親しみやすさ」や「あどけなさ」や「面白さ」や「反射神経の良さ」や「言葉のセンス」を感じて、ファンになる。
逆に乃木坂46のヒット祈願のように「シリアスな試練」を与えれば、「けなげさ」や「ド根性」や「辛そうなメンバーへの気配り」、「リーダーシップ」などが引き出され、感動を呼んだりもする。
世の中にはいろんな人がいるので、「塩対応」や「不思議ちゃん」や「あざとさ」や、場合によっては「ダメっ子ぶり」さえも、イイという場合もある。
要するに「アイドル性」とは、「カワイさ×反応」の掛け算なのだ。
AKB48の場合は、メンバー各自にその計算式を考えさせ、競い合わせた。それが数値化されるのが選抜総選挙だ。残酷この上ないが、その「試練」がまたメンバーの「反応」を引き出すという仕掛けだ。
アイドリング!!!の場合、バカリズムがメンバーに有無を言わせず与えたのは「相撲」だった。面白かったが、そこからはバラドルしか生まれない。
さくら学院に倉本美津留が与えたのは、「学校の授業」だった。女子小中学生が授業を受けるのは「ふつうのこと」であり、MC森ハヤシのイジりも「先生」である以上、度を越すことはなく、恋愛ソングも歌わせなかったから、さくら学院のイメージは「上品な箱入り娘」になった。地上波露出がなくなり、インディーズに戻り、自前ライブ中心になってからは、温かい「父兄さん」に支えられ、そもそも見られる絶対数が少なくなったので、よりその傾向が強くなった。もちろん、それぞれの学年に特徴があり、文字通り「成長」に感動するので、ハジケりゃいいってもんでもないのだが。
BABYMETALの場合、無数のアイドルを見てきた山里亮太をして、「優勝!」と叫ばせた水野由結、共演したアイドルをすべてライバル視する菊地亜美の白目をむかせた菊地最愛のカワイさは群を抜いていた。そして中元すず香には、美しさとともに、可憐Girl’s以来のオーラと、歌唱力という絶対的な武器があった。
まだあどけなさの残るこの3人に、「時代遅れ」と見なされていたヘヴィメタル、それもパンテラのリフを使い、骨バンドがバックにつくホラーがかった楽曲をやらせるというKOBAMETALの与えたとんでもない試練が「掛け算」されて、BABYMETALの魅力は「普通のアイドル」の閾値を超えた。
BABYMETALが初めて全国的に知られたのは、2011年2月25日の『アイドル下克上』での「ド・キ・ド・キ☆モーニング」16小節だった。深夜25時台でアイドルオタクしか見ていない時間帯だった。
だが、そのインパクトはじわじわと広がり、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」MVのアップにつながり、世界を動かし始める。
中元すず香が生徒会長になった2012年度には、さくら学院メンバーとしての上品さと、多分に「キワモノ」的な匂いの残る単独訴求のギャップを続けながら、インディーズデビュー曲となる「ヘドバンギャー!!!」以降、BABYMETALは本格的なメタル魂を持った表現者へと成長していく。
そのきっかけとなったのは、武藤彩未たち初代さくら学院卒業生を送り出した3月25日のさくら学院2011年度卒業式@日本橋三井ホールから約2週間後の2012年4月6日のタワレコ渋谷店での「15分一本勝負」と、4月8日にShibuya-AXで行われた「第2回アイドル横丁祭」だった。
(つづく)